
おもに飼育中のナミヘビの飼育と繁殖記録サイトです。
一部の画像はカーソルを合わせるとツールチップ表示、クリックで拡大します。
Mysite_968
- 〇〇の飼育と繁殖 -
アオダイショウ/Elaphe climacophora
分布:日本(北海道、本州、四国、九州など)
全長:120-180cm、最大200cm以上
生態:おもに昼行性。都市部にも適応し、さまざまな環境で立体的に活動する
繁殖:一度に4-15(最大24)個の卵を産む。卵は25-29℃で44-75日で孵化する
冬眠:5-12℃で3-5ヵ月
寿命:15年以上
丈夫で餌食いも良く、アジアの蛇の中では飼いやすい蛇です。
産地ごとに分けてブリードされることも多く、特に北海道や国後島に分布する「青みの強い個体」は美しく、選別交配されています。
一方で、成長の過程で予想外の方向に色彩が変わることもあり、最終的な体色を見極めるのが難しい蛇でもあります。
▼繁殖
5-7月にかけて交尾、6-8月に卵を産みます。重要なのは繁殖に適した体格の雌雄がそろっていることで、蛇の状態を整えたのち、繁殖行動を促すための冬眠が必要となります。
繁殖は飼育下で豊富な餌を与えられたオスで2歳、メスで3歳から可能とされています。より確実なのは、さらにもう1年は育成に時間を充てることでしょうか。特にメスはより育っていることで、産後の体力回復も早くなり、卵詰まりなどのリスクを減らすことができます。
秋には食いこませて雌雄とも万全な状態に仕上げ、10月中には餌を切り、そこから約1ヵ月後に冬眠させます。基本的に、冬眠中はシェルターの中でじっとしているはずです。注意点としては、温度が上がると活動して水を飲むので、水はつねに新鮮なものを用意します。
適切な環境下で冬眠させることができれば、目に見えて痩せることもなく、3-4月には目覚めているはずです。あとは徐々に通常の飼育温度に戻し、給餌を開始します。最初は餌を少なめに与えるのが無難です。この間にペアリングさせると交尾する場合もありますが、フェロモンの影響からか、脱皮後のほうが成功率は高いとも云われています。たいてい冬眠明けから近いうちに脱皮はするものなので、タイミングを見てペアリングさせましょう。妊娠期間は40-50日程度であるようです。
-孵卵
親が孵化まで卵を守ったと思わしき例もあるようですが、やはり専用の孵化器で管理するのが安全です。高価な装置を用意する必要はなく、タッパーなどの密閉容器にいくつか穴を開け、通気性を確保したもので事足ります。
孵化器内の湿度は、孵卵初期の一番高いときで80-90%、孵化直前には70%程度あれば充分でしょう。孵卵温度は32℃までなら孵化するようです。ただ、あまりにも高温で孵化させると、養分の残留が増えて、孵化仔のサイズが小さくなります。基本的に高温時に問題が生じやすいのは、親も仔(卵)も変わらないはずなので、孵卵温度は27℃程度を推奨します。とはいえ、アオダイショウの卵で問題が生じることは、ほとんどありません。
卵は培養基に完全には埋めず、くぼみに置く程度にとどめます。孵化日が近づくにつれ、卵が凹ん
でくることがありますが、加水の必要はありません。湿度不足ではなく普通のことなので、むしろ卵は凹んだほうが良いぐらいです。ちなみに、孵化直前の自然環境下の卵は、飼育下で管理された卵以上に凹んでいるものです。
-孵化
・アオダイショウの孵卵温度と孵化期間
()内は孵化率
26-28℃------50日 (9/9) 50日 (4/5)
-----01-----
サキシマスジオ/Orthriophis taeniurus schmackeri
分布:日本(先島諸島)
全長:160-220cm、最大250cm以上
生態:山林、農地、人家周辺などで見られる。樹上での発見例もある
繁殖:一度に2-?個の卵を産む。卵は26-28℃で約70日で孵化する
冬眠:下限15℃で2-3ヵ月のクーリングが可能
寿命:15年以上
外来種のタイワンスジオを除き、おそらく日本に分布する蛇の中で最長の種です。
一昔前はWC、現在ではおもにCB個体が流通しますが、いずれも見かける機会は少ないです。国内で流通するスジオナメラ亜種の中では比較的おとなしく、丈夫で餌食いも良い蛇です。非常に魅力的な蛇ですが、とにかく卵数が少ないことにくわえ、場合によっては死籠りも多く、一筋縄ではいきません。
-----02-----
マレースジオ/Orthriophis taeniurus ridleyi
分布:マレーシア、タイ南部
全長:180-230cm、最大250cm以上
生態:洞窟に棲みつき、おもにコウモリを狩る
繁殖:一度に7-20個の卵を産む。卵は24-26℃で約90日で孵化する
冬眠:下限15℃で2-3ヵ月のクーリングが可能
寿命:15年以上
乳白色を基調とした淡い体色に、体の大部分の斑紋を欠いたその様相は、他亜種とは一線を画す。国内ではおもにCBが流通しますが、CBでさえも気性の荒い個体が多いです。
マレーシアの高地「キャメロンハイランド」に生息する個体群は、黄色をはじめとした発色が強く、飼育下でも区別されています。
ホウシャナメラ/Coelognathus radiatus
分布:東南アジア
全長:150-180cm、最大230cm
生態:落葉樹林などのさまざまな森林、農地や人家周辺で見られる。地表性
繁殖:一度に5-15(23)個の卵を産む。卵は27-29℃で64-95日で孵化する
冬眠:----------
寿命:20年以上
東南アジアに広く分布するナメラです。
樹にも登りますが、基本的には地表で活動する蛇です。繁殖力が非常に高く、年間に計100個以上もの卵を産んだ例があるといいます。
▼繁殖
特定の繁殖サイクルを持つのかは不明です。ただCBに限っていえば、適当にペアリングをするだけで交尾が見られることも多いです。
交尾時間は4-6時間。通常は40-75日ほどの間隔を空けて数クラッチします。交尾後は比較的短いスパンで卵を産むため、メスはクラッチ間に多くの餌を必要とします。くれぐれも過剰な給餌による太りすぎには注意しましょう。
以前、太り気味のメス個体を用いて繁殖させたことがあります。結果的に卵を10個産んだものの、うち7個は無精卵、有精卵は僅か3個しか得られませんでした。そこで、次のクラッチまでに給餌量を調整してメスの体型を整えました。すると、途中で一度も交尾を挟んでいないにもかかわらず、第2クラッチでは10個(197g)の有精卵を産みました。ほかの種類の蛇にもいえますが、野生個体同様に太っておらず、本来の体型を維持している個体のほうが、産卵時のトラブルは少なくなります。
余談ですが、WCの立派なメス(180-185cm)の体重は800gであったそうです。繁殖時の参考になるかもしれません。
クラッチ数の多い蛇は餌食いも良く頑健な種が多いですが、一方で思わぬときに産卵することがあります。飼育者が給餌量を調整してクラッチ間隔をコントロールすることは難しく、産卵経験のあるメスは、餌を控えめに与えていても、早々に次の卵を産んでしまうことがあります。その場合、単に小さいメス個体ほど体力を消耗してしまうようです。
そのため、この手の蛇はしっかりと育成してから繁殖させることが特に重要です。より大きく育っていれば、そのぶん体力も早く回復し、なにより不測の事態に対する保険にもなります。
-孵卵
卵殻はそこそこ厚みがあり、多少湿度が不足しても凹みにくい。管理は容易な部類です。通常は培養基に対して水の比率を1:1のセオリー通りで問題なく孵化します。注意点としては、やはり通気性が悪いと下のほうにある卵が駄目になりやすいので、卵は埋めずに置く程度にとどめ、なるべく空気に触れる面を多めに確保します。近縁のキスジナメラでは、死籠りが報告されているようですが、本種は特に大きな問題を抱えていないようです。
ただし、産み落とされた卵の状態や孵卵環境によっては、水分を吸収しすぎて孵卵期間の終盤にかけて膨張する卵が出現することがあります。こちらの環境でもひときわ小さい卵だけが膨張して破裂したことがあり、そのとき中の仔はまだ僅かに生きていました。孵化後は殻の中に本来吸収されるはずの養分を残していないか(高温での孵卵時に多い)などを確認し、問題が多く見られた場合は、次回から孵卵環境を改善します。孵化した仔のほうも、奇形などの異常がないか、くまなくチェックしたほうが良いでしょう。
-孵化
・ホウシャナメラの孵卵温度と孵化期間
()内は孵化率
24-27℃------94日(7/7)
25-27℃------75日(6/7) 80日(8/8) 82日(5/5)
26-28℃------69日(5/5)
27-29℃------70日(7/8) 72日(6/6)
-幼蛇
孵化仔の全長は28-40cm程度。体重は多くの場合8-16g。参考までに8gの個体で全長約28cm、16gの個体で約38cm。
本種は餌付けの段階でマウスを食べないことも多く、単純に孵化仔が小さいとそれなりに苦労を要します。比較的高い代謝を持ち、幼蛇のうちは痩せやすいため、まめな給餌が必要です。
-----04-----
ヤンセンナメラ/Gonyosoma jansenii
分布:インドネシア(スラウェシ島とその周辺の島々)
全長:160-200cm、最大230cm以上
生態:昼行性、半樹上性
繁殖:一度に2-9個の卵を産む。卵は27-29℃で約120日で孵化する
冬眠:----------
寿命:12年以上
ヤンセンナメラ、またはジャンセンラットスネーク(Jansen's Rat Snake)と呼ばれる。体色が尾にかけて黒く染まり、旧セレベス島に生息することから、別名「Celebes Black-tailed Rat Snake」
樹上性傾向の強い昼行性の蛇で、スラウェシ島とその周辺の島々の熱帯雨林に生息し、鳥、ネズミ、リス、コウモリなどの鳥類や小型哺乳類を捕食します。
タイガーラットスネーク/Spilotes pullatus
分布:メキシコ南部~アルゼンチン北部
全長:160-270cm、最大300cm以上
生態:昼行性、半樹上性
繁殖:一度に5-14個の卵を産む。卵は25-27℃で73-85日で孵化する
冬眠:----------
寿命:15年以上(飼育下の記録で17年)
何亜種かに分けられていますが、分類に関しては混沌としています。
色彩や模様の入り方で大まかに分けた場合、南部にかけて体の後方にあるバンド模様が消失し、黒の面積が増えていく傾向にあるようですが、個体差(または地域差)は多岐にわたります。亜種間での見分けがつかないことも多く、色彩や模様のみで判別することは非常に難しい。